おひっこし(2)

また引越しをしました。
今回は既存の生活共同体から抜け出るタイプの引越しです。
必要なものだけ持っていけばいいのは丸ごと移動するよりは楽かなと思ったけど、あえて物を残していくというのは案外難しいことでした。

私は昔から、自分の持ち物は自分のテリトリーの中に収めておきたいたい欲求が強くて、たとえば電車の網棚に荷物を乗せるというようなことがきもちわるくて仕方なかった。
小さい頃のおもちゃや本みたいな、もう使わないけど捨てもしないものをおばあちゃん家の蔵に置かせてもらっていて、それは私が決めたことじゃなくて両親が、私の物心のつく前からそうしていたことなんだけど。
そういうのも思い出すたびにムズムズするのです。
いっそ蔵ごと火事か何かでなくなってしまえばいいのになとすら思います。

そういえば小学生くらいのとき、料理を食べ終えたお皿に浮いてる小さい油の円たちを箸でつなげてひとつの大きな丸にするのが好きでした。

たぶん飛び地みたいなものが私をそわそわさせるんだよなあ。
あんまり神経質にならずに生きていきたい。